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  • 2024/04/22 (月)
  •  「この学校に失敗はありません」。過日、行われた中学校の入学式の式辞。「あるとすればそれは挑戦しないこと」。背中より大きなランドセルを背負い、「転ばないでね」と見送られた小学生時代は遠く、自分が失敗を恐れる大人になっていたことに気付く▼近年、ジェンダー(社会的性差)の平等などを背景に“選べる”制服を導入する学校が増えている。人吉球磨の中学校や義務教育学校でも新制服の検討が進む中、今春、山江中学校がブレザータイプになった▼新しい制服は、スラックスとスカートを選べるほか、夏場はポロシャツもあるとか。ジェンダー平等だけでなく、暑さや寒さ、体調に合わせて調節しやすそう。新1年生に聞くと着心地は「最高」らしい▼この制服、生徒の提案が学校や村など“大人”を動かしたもの。入学式で校長は「皆さんの先輩たちが自分は着ることのない制服を後輩のために考えてくれた」と説明し、「多様な価値観にふれて人間性を磨き、この制服を着こなせる生徒になってください」と呼び掛けた▼新学期、学校や通学路を行く真新しい制服とカラフルなランドセル。違いを認め、褒め合える現代の子どもたちから多様性を学ぶ春。

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